ある木造ピアノ防音室で、私のアドバイスを無視して、室内の壁のすべてを、柔軟性接着剤を石膏ボードに面的に塗り、2重に張り合わせて防音対策を実施したケースがありました。
しばらくして、防音室でピアノの練習をしていた生徒たちの大半が目がチカチカする、頭痛がするなどの症状が現れ、使用不能になったようです。しかも珪藻土を塗って仕上げたのが災いして、化学物質の高濃度化を招いたようです。
これはF☆☆☆☆の接着剤を使用したにも関わらず、揮発した化学物質によって問題が生じたと思われます。法規制をクリアした正規品であっても過信は禁物であることを示した事例です。珪藻土が化学物質を吸着して再度室内に放出したことも要因としてあるでしょう。
とくに簡易防音のように隙間から化学物質が漏れるような対策を、気密性の高い室内で行う際には注意が必要です。気密性の高い室内においては、接着剤を塗布して施工する簡易防音はできる限り避けたほうが無難です。
遮音性能以前に、健康被害のリスクが起きてしまったのでは何にもなりません。
2013年06月09日
この記事へのコメント
コメントを書く