2021年03月02日

ピアノの床防音に関する新モデル

小口のユーザーから、遮音ゴムマットの送料が高いと相談を受けましたが、メーカーとしては送料はどうにもならないと返事が来ました。
それは、地域ごとに配送する中継会社が異なるため、都内でも場所によって料金が異なるらしいです。

そこで、もっと安く、ピアノの床防音対策を出来るモデルを提案するため、取引先や一部のユーザーに協力を依頼して、やっと防音効果を確かめることが出来ました。もちろん、マンションや木造住宅の床構造によって、性能はばらつきがあります。

ですが、概ね次のような防音効果が期待できることが分かりました。
・モデル:既存床に制振フェルト6ミリ+アスファルトマット4ミリ+制振フェルト6ミリ+アスファルトマット4ミリ+タイルカーペット6ミリ
 *ただし、床暖房の上には使えないモデルです。
・防音効果:空気伝播音が約20dB軽減、床衝撃音(振動など固体音)が約15dB軽減

人間の耳には、床から漏れるピアノ音が1/3から1/4に減ったように体感されます。

アスファルトマット4ミリは制振フェルトと併用することで効果が出ます。刃渡りの大きなカッターナイフで切れます。遮音ゴムよりも耐用年数が長く、重いのが特徴です。※455×910サイズで1枚約4.3kgという重量物です。
制振アスファルトマット4ミリ
posted by 防音職人 at 10:31| Comment(0) | 楽器のDIY防音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月24日

防音材の現状

現在は、20年前に比べて多くの防音材が市場に出回っています。

しかし、種類や特性を見ると偏りがあり、単価もバラバラです。同等の製品でも業者によって販売価格が大きく違う場合があります。

その典型が、ポリエチレンの高密度フェルトとアスファルト遮音シートです。この2つの製品は、20年前には市販されておらず、特定の企業に卸売されている受注生産品でした。

防音職人では、開業当初から、この2つの製品の取引先を探すために数年間かけましたが、取引には大きな問題がありました。

私のような自営業者には直接取引してくれないので、大手代理店を経由するということでした。その後、取引先のあるスタッフが独立開業して、2つの会社を設立して営業を開始したため、私と直接取引するようになり、他社に比べて廉価で注文できるようになり、これが現在の取引先になっています。

これで、樹脂の遮音ゴム、アスファルトマット、アスファルト遮音シート、制振フェルト、吸音ウールが揃い、木造防音室からマンションの防音工事まで対応できるようになりました。

このうち、アスファルト遮音シートは私以外に2社扱っているようですが、両社とも私の2倍の価格で販売しています。(2021年2月現在)
私の場合は、防音設計が本業のため、他社に比べて供給価格を大幅に抑えています。

メーカーも私との直接取引を了承してくれたので、中間経費がないので、自由に価格を設定できます。ただし、メーカーからの要望で「製品名」を公表するのを控えるように要望されています。※このため、私のホームサイトでは、アスファルト遮音材など防音材の個別の製品名は伏せています。その代わり、個人ユーザーには他社よりも安く提供するというサービスを継続しています。

しかし、ついに制振フェルトについては、供給するメーカー経営者が高齢化して、生産ラインをいつまで維持できるのか不安定になりました。
後継の新製品も確保はしましたが、単価が高いのと、バラ売りが出来ないのでケース単位の納品という条件になりました。

旧製品は、一応、後継者が育たない限り、その代限りで終了の見込みです。「制振フェルト」は他のメーカーの半分以下の単価で供給しています。もうこの価格では維持できないでしょう。
出来るだけ、現在の経営者が事業を継続してくれることを願うばかりです。
posted by 防音職人 at 07:22| Comment(0) | 防音材の特徴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月24日

木造のDIY防音室の事例

木造の音楽防音室をDIYで大半を施工して、仕上げだけ職人に依頼して費用をかなり抑えた依頼者が居ます。
*通常、専門業者に約6帖の音楽防音室を設計・施工一式を依頼すると300万円程度かかりますが、DIYで大半を行うと、外注の窓を含めても1/3以下で収まる事例が多いです。

依頼者は九州・関西・中部・関東・信州・北陸の方々です。

使用した資材・道具は、私の納品する防音材(アスファルトマット、アスファルトシート、遮音ゴム、制振フェルト、吸音ウール)のほか、金槌・電動ドライバー、カッターナイフ、釘・ビス、木工ボンド、気密テープ、カーペットなどです。
*防音材を除けば、合板を含めてホームセンターで購入できます。

施工説明図・施工要領を定額で納品し、あとはメールでサポートします。

主な楽器は、サックス、エレキギター、トランペット、オーボエ、アップライトピアノ、電子ドラムです。

これらの楽器防音室は、1階でも2階でも可能です。

依頼された件数は、昨年が4件、今年はすでに2件ありました。(2021年1月24日現在)

問合せも大分増えています。やはり、コロナ禍で自宅で過ごして楽しむ空間をDIYで造りたいというリクエストが需要としてあるのだと思います。

DIYで使用可能な防音材は次のページに記載しています。
防音材の納品
posted by 防音職人 at 16:55| Comment(0) | 楽器のDIY防音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月06日

グランドピアノの床防音

昨年相談を受けてから発注した防音材を活用して作業された依頼者から、昨日報告がありました。

マンションの洋室でグランドピアノを趣味で演奏するため、壁の吸音パネルやピアノ脚のインシュレーターなどを購入された人が、階下の居住者からピアノの音がうるさいので、夜8時半以降は弾かないで欲しいと要望されたようです。

そこで、床の防音対策を強化するために、DIYで活用できる防音材を探していたところ、私の「防音職人」のホームサイトなどを見つけて相談されました。

次のページのモデル対策を自分でしたいということでした。
ピアノDIY防音

施工要領をご説明してから防音材を納品しましたが、早速、先日自分で作業してから、階下の居住者に状況をお聞きしたところ、「ほとんど聴こえないレベル」まで音が小さくなっているということでした。

少し防音材が余ったのですが、もうこれで良いということで、制振フェルトだけ残して、あとは廃棄処分するということになりました。

新年早々、おめでたい話で、私も嬉しかったです。

この相談者は、非常に常識があり、今回の対策がうまくいった後でも、階下の人との約束を守り、演奏時間帯に留意してピアノを楽しむということでした。

ちなみに、今回は普通のカーペットを敷かれたのですが、これを防音カーペットにすると、もう少し効果が出ます。
posted by 防音職人 at 11:12| Comment(0) | 床のDIY防音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月26日

約26年間の防音材の思い出

私が防音材を初めて自分で使用したのは平成7年のことでした。約26年前です。

当時すでに先端産業・土木分野で使用されていた高密度フェルト、ウレタン、遮音ゴム(非硫化ゴムを含む)、合成樹脂、アスファルト基材、ブチルゴム、発泡樹脂が新しい製品として市販されたり、特定の企業に受注生産されていました。

その後、リサイクルゴムチップを加工した遮音マット・防振マット、PETウール(吸音ウール)などが製品化され、多種多様な防音材が生産されて来ましたが、耐久性や性能の持続化という点では問題があり、選別する必要性に迫られました。

そして、20年以上かけて、私が取引製品として残した防音材は、高密度フェルト・吸音ウール・合成樹脂・アスファルト基材です。ブチルゴムも性能的には問題ないのですが、施工性・費用対効果の面で、現実の防音対策には主力製品にすることが出来ませんでした。
*ただし、ブチルテープ、ブチルシートは限定的な使用として活用しています。
*市販品の吸音材では一部のロックウールを標準仕様に加えました。

遮音ゴム・防振ゴム、リサイクルゴムを加工した遮音マット・シートは、耐用年数が短く除外しました。ウレタンマット・発泡樹脂も約10年程度で劣化することが分かり、これも防音工事から外しました。
*市販のグラスウール製品も本体の防音工事には使えないので、あくまで新築・リフォーム時の標準品として、新築業者などが手軽に施工できるものとして指定しています。(アクリアマットなど断熱材)

私の話を信じるかどうかは、閲覧者次第ですが、現在、現役の防音設計技術者として、26年間自分で試した専門家はほとんど居ないと思います。
そのような体験談を記録した書籍も出ていません。ウェブサイトもありません。
*参考:防音職人の現場用防音材
posted by 防音職人 at 10:07| Comment(0) | 防音材の特徴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする